わるいけど、今回、めっちゃ短い。
イラストも目次もなし。
だって、チョー簡単。
「机の上でカタカタやれ」
ってだけだもん。
親指→薬指→中指→人差し指
って順番で、机の上でカタカタ。
そのカタカタが滑らかで粒がそろうように。
以上です。
解散!!
◆
なんで、これでトレモロが攻略できてしまうのか?
そこはちょっと語らせていただきましよう。
そもそも、なんでトレモロができないのか、というと、人の指の長さがちがうからなんですよね。
薬指→中指→人差し指、これらが同じ長さだったら楽なのに、中指だけ長くてちぐはぐなんだもの。悪いのは指の長さよ、私じゃない!!
しかもナイロン弦はけっこう柔らかいし、ひっかかるとぐいっと深まってしまう。ちょうどいい感じに爪先が連続して弦をはじく、とはなりにくい。
じつはこれ、クラシックギターがプロ並みにうまい人でも「トレモロは苦手」とおっしゃる人が少なくないのは同様の理由と思われ。
だったら、堅いものの上で、強制的に同じところをカタカタすれば?
……って、中学生だった自分が大発明した。ていうか、授業中ひまで、なんとなく毎日机の上でカタカタやってたら、自然と一ヶ月でアルハンブラできるようになっていました、というだけですが。
理由はあとになってからわかった。
爪先の深さが一定にそろってくれば、トレモロはできてしまうのです。
つまり柔らかいナイロン弦の上でいくら練習を続けても、爪先の打点の高さがそろうことにはならない。
それではいつまでもスムースにならない。
堅いものの上で練習してこそ!!
もうひとつ悪知恵だけど、爪を真正面から弦に当てずに、少し角度をつける(上から見て爪の左側を使う)ことを意識してみると、爪の引っかかりが軽くなって、がぜんスムーズになります。
(スムーズになるけど、トレモロの音が小さくなって、低音が目立つことになりやすいのでそこは気をつけて)
もちろん指先の深さがそろうということは、トレモロ以外でも、とってもよいこと。
上質なお吸い物みたいに、よい音だけをすくい取るような演奏もできてしまうかと。
◆
ただ、どうなんでしょうね、コンクール目指したり、プロとしてバリバリ弾く系のトレモロは、これとは発想が違うのかもしれません。
ここで紹介している練習は「長い中指を引っ込ませていい感じにそろえる」という方向性だけど、たぶん逆もあると思う。
手の平と弦の間に大きく距離をとって、中指の距離感でロックオン。薬指と人差し指を「伸ばして」打点をそろえる、みたいな。
こうすると、しっかりと爪の先端で弦をはじくので、強い音で粒立ちの均一にそろったマシーンみたいなトレモロが可能でしょう。
おそらくジョン・ウィリアムスがそんな感じだったし、現代の女性人気ギタリストもそんな感じとお見受けします。
◆
でも正直、自分はマシーンみたいなトレモロって、あまり好きじゃないのです。
ものごとって、均一化してくると、逆にわずかな差異が気になるもの。
むしろ、ある程度ランダムな方が、自然で滑らかに感じられる。
そんな人の感覚ってやつ。
まあ、究極を目指すと話がちがってくるかもしれないけど、とりあえず普通に人前で弾いて恥ずかしくないくらいのトレモロは、ここのやり方でできると思います。
ぜひ活かしてみてください!!
◆
模範演奏なんてとんでもないですけど、自分なりに弾いたアルハンブラはこんな感じ。
均一なマシーントレモロではなく、ビブラートを効かせてたっぷりめの叙情をフィーチャーしてる、ってあたりは伝わっていただけるのではないかと……
コメント