LoopyHillとは

 LoopyHillとは、林直樹という個人によって始められた、小さいながらもいくつかの遊びと夢の集合体です。

 始まりは一つの恋から。
 英会話学校にいたオーストラリア出身の女性教師。
 しかしそれは、わりと定番のできごとだったらしい。新しい言語野を獲得する際の、母なるものへの渇望という本能。なにより、言葉(英語)で説明できないもどかしさ。
 彼女は、高貴で、いかげんで、楽しくて、美しい人。実際に彼女の祖先は、あちらで歴史教科書に名前が出てくると聞きました。
 Lucyという名の彼女の愛称がLoopy(クルクルパーの意味)。
 まあ、ただの言語習得過程の片思いといってしまえばそれまでですが、何かを立ち上げるとき、もし英語タイトルにするなら、この名前を記念に残しておくのは悪くない、って思って。ちょっと恥ずかしいけど、その甘酸っぱさもふくめて。

 もちろんギタリストWilliam AckermanのつくったWindham Hillレーベルへの、かねてからのリスペクトもあります。アッカーマン氏のギターも大好きですが、有名な曲はこれ。そう、このヒーリングミュージックの元祖と言われるこのレーベルです……

 文学系らしく、ゲーテ「ファウスト」からの影響もあります。
 これはドイツの地形的な理由も潜在的にあるかと思うのですが、ゲーテにとって、人の英知と努力が勝ち取った共同体の象徴が丘であり、同時に”女性的なもの”の象徴でもありました。
 丘をながめて、オッパイをイメージするのはどうなのか……
 しかし大地の豊穣さという意味で、きちんとつながりがあるのです。ギリシャ神話のイシスがそうであるのと同様に。

 LoopyHillは、最初はネットで知り合った三人による自費出版で始まりました。書籍バーコードまで登録したミニ出版社の体でしたがもともと資金などなく借金スタート、自分自身、編集や出版営業より創作が本分であり、4冊を作っただけのことでフェイドアウトしていきました。

 今でも中古本ならAmazonからネット購入できるようです。

季節を刻む白い時計―Short stories the year around

 横書きペーパーバックスタイルにこだわった本。
 いろんな人の誠意に応えられずにフェイドアウトしましたが、この本の未熟さは、逆に、今となっては貴重な宝物。若さの勢いで勢いで作ってしまって、よかったと思うばかりです。 

 そして時は流れ、あらためてネットの世界に、一つの丘を作ろうと、林直樹は画策するわけです。

 ウエブサイトとしては、この場の前身として林の個人サイト「蒼幻閣」がありました。
 そこはプライベートな場と割り切って、未熟なものでも公開してしまう方針でした。創作でも、ギター録音でも。創作ということには、客観的な価値とはべつに、作る人の心の状況ということが強くありますから。
「蒼幻閣」をまるごと残したい気持ちはありましたが「LoopyHill」のドメインを新サイトで使うために、サーバの引っ越しをして、ネットから消えたのです。

 小説作品は、これからリライトしつつ、ここに戻していきます。
 ギター演奏は、かつての「心象日記スタイル」はボツにして、できるだけ体裁を整えた録音を公開していきたいと思っています。

 しかし、じつはもう一つ、心残りがあります。
 蒼幻閣の掲示板にあししげく通っていただいた一人の方、そのかたが掲示板に書く言葉や詩を、自分はウエブページとして作り上げていました。それは旧サイト消滅と共に終了したのではなく、新しい丘にもまねきたいし、なんならそのための新LoopyHillでもいい、と思っているくらいです。実際にどうなっていくかは、まだこれからの話ですが、おそらく、むしろ以前よりも大きな存在になっていくかもしれないと、個人的には予想しています。

 サーバの引っ越しをして、新サイトを作ること、……だいぶ前から考えていたことなのですが、なかなか実現できませんでした。もとより自分はAdobeGoLiveというわかりやすいホームページ作成ソフトを愛用していたのですが、それが終了となり、プロユースの本格的なもの(要勉強)か、チープな無料ホームページサービスか、どちらかという選択では、どうにも動きがとれず。
 しかし、今はWordPressという優れものがあるのでした。もともとはブログ作成ソフトだったようですが、旧来のホームページも作れるように拡大され、無料配布され、現在では世界のサイトの30%はこれで作られているとか。

 というわけで、LoopyHillでもWordPress化に踏み切りました。
 あわせて有料テーマ「SWELL」も使い始めました。(日記ページのタブ機能はとてもありがたかった!!)

 つきましては、旧型のホームページ作りとあわせて、アフリエイト仕様のブログも展開させていただこうかと。

 芸術も、商売も、面白さも、奥深さも、集う丘になればいい。
 世の中、大変なことばかりですが、この丘では、心も体もヘルシーでありますように。

 ただし自分は「できれば国境なんてなければない方がいい」と思っている文化・芸術系の人なので、右派保守のかたとは話があわない傾向があります。(自分には韓国や中国を嫌う気持ちは全くありませんし)それは資質的にいたしかたないこととして、互いに距離をとりつつ自由に存在する方向でご了承いただきたいと思います。

 で、長く書いてあるけど、結局どうなの、LoopyHillって、なんなの?

 ……それは、これから作っていくこと。

 Because this place is this place —– LoopyHill