実際に商品リンクを張って紹介してみたいと思います。
ただしメーカーのモデルチェンジ、在庫の有無、価格の変動などにより、必ずしも正確な紹介になっていない場合もありえますのでご了承ください……
クラギの本当の価格っていくらぐらい?
クラシックギターは、見た目はどれも似たような感じだけど、中の構造は意外に複雑で、部品点数もめちゃくちゃ多い。だから個人製作家が一つ一つのパーツまで自分で手作りしようとすると、およそ月に2~3本のペースらしい。
だとすると、きちんと個人製作家によって作られたものは、特別なビンテージとかでなくても、やはりそれなりの値段になってしまう。
たとえば製作家が1本20万円の利益を得るには、材料経費を足して30万円でバイヤー渡し。売値は倍掛けで60万円ほど、という計算になってしまう。
ホセ・オリベというアメリカの高齢製作家は、何十年も前に作った楽器でも、修理に来ると「ああ、あのときに作ったやつね」と詳細を思い出せると語っていました。
……あのときは新しいハカランダ材に手を出したときで響きが変わったけど、そのぶん塗装の成分を変えて調整したんだよね……
みたいな?
世界的に有名な製作家も、みんなそれぞれに試行錯誤し、悩みながらやっているわけです。
みなさんも、いずれ、そういう本物のギターにむかっていただきたいところではありますが、それはのちのちの大いなるお楽しみ、ということで。
幸いなことに、ギターは世界中の人が楽しむ楽器ですから需要も多く、工場で作られる安価な量産品も、けっこう充実しています。
これならハンドメイドよりも、はるかに安い価格で手に入れることができます!!
手軽な入門クラシックギター
自分なりに調査した結果、今のおすすめはアリア社です。
荒井貿易の自社ブランドで、制作は中国とのことですが、その中国の製造技術向上がめざましいのだと思います……
ARIA A-20
このお値段で表板が杉の単板、この品質はビックリです。
練習用として普通にアリ。ていうかバックサイド材サペリは、ソフト&ふくよか、むしろ弾きやすいです。
豊かな低音の響きや、高音の伸びを期待すると、上のランクが欲しくはなると思いますが、表面板単板のナチュラルな響きは本物でした。機能的に十分いけます!!
ちなみにこのクラスでも、鉄弦で実績のあるアリアらしく、ネックに鉄芯が入っていて、六角レンチでネック反りの調節もできる、ってすごくないですか?
もちろん予算に余裕があるなら上級機がいいだろうけど、最安でとりあえず始めてみる、というのは、このギターなら、めちゃくちゃアリだと思います。
◆
YAMAHA CG102
ブログを書くにあたって、自分で実際に買ってみた国内大手の入門ギターがこちら……
正直、悪くないっす。材の質も、工作精度も、安いなりにがんばってる。
しかも表が合板なので、ぶつけてもクラックの心配もなく丈夫な、手軽にどこでも持っていけるョ。(合板なのでシダーとかスプルースという迷いも無効化!!)
自分でいじりたおすにもうってつけ。「弾きにくいな」と感じて、自分でナットを削って、弦高を下げてみたり。調子に乗って下げすぎびびって、コピー用紙を細く切って差し込んで修正、とか。
ただ、正直、ヤマハというブランド力以外にARIAにまさっている部分はないかもしれない……
少し大人のクラシックギター
ARIA A-30S
ARIA ( アリア ) / A-30S ¥26,180(税込)
中古でさわったことがあるけど、これはほんとうに良いギターでした。価格的に素材は贅沢できないけど、作りは丁寧。
ただしA-30はスプルーストップのみ。
【松】フローラてきなギター人生を目指すなら、ここからがいいかもしれませんね。
ARIA A-50
実際に弾いてみた感じで、ぶっちゃけ、いちばんおすすめしたいのはこのギター。
自分は杉派なのでA-50C押しですけど、白い方がいいかたはSのほうでも。
表面板は単板で響きが良いですが、バックサイドにローズウッドが使われています。そこはさすがに単板ではないけれど、明らかにサペリとは異なるしっかりと豊かなローズらしい低音の響きが秀逸。
ネックが細目で、全体的な弾きやすさも、ARIAならでは。
マジで「自分もこれに買い換えちゃおうかな」と思うくらい良かったです。素材のチープさが、良い意味であつかいやすく、人馬一体、手になじんでストレスがないのです。
ただ、7フレット以上でのハイポジションでは、どうしてもあつかいづらさが感じられて、そのへんはこの価格の限界かもしれません。
エレガットなら
ARIA A-35CE
すみません、自分では弾いたことがないのだけど、こちらがとても評判いいですね。
エレガットって、マイク内蔵のライン出しできるクラシックギターのことですが、もし本当にクラシック曲を人前で弾くつもりなら、20万円のゴタンでも音色的に満足しずらいもの。どうしても「内蔵マイクの音」になってしまうから。
でも、それを承知の上であれば、手軽にバンドライブなどでも使える便利ギター。
しかも「普段から自分の音を客観的にチェックできる」という利点がすばらしくて、エレガット弾きさんはバランスの良い上手な演奏をする人が多い印象です!!
高級クラシックギターと同じ素材でそろえるなら
以下、ヤマハの中級機をビシバシおすすめしたいところだけど、新コロナステイホームの関係か、ヤマハは全体的に在庫薄みたいです。カタログ的にはいろいろあるのですが……
とりあえず即納できそうなものを選んでみます。
YAMAHA GC22
YAMAHA ( ヤマハ ) / GC22C ¥81,400 (税込)
YAMAHA ( ヤマハ ) / GC22S ¥81,400 (税込)
ヤマハの「グランドコンサート」シリーズのエントリークラス。(これはGC、上記入門ギターはCG)
ここからはボディもローズウッドになるので、低音弦の振動感と、高音のぬけという、両面での広がりが音楽を豊かにしてくれるはず。(この下のランクのマホガニーボディは、中音のふくよかな魅力はなくもないですが、やはりメリハリのない音に感じがち)
値段は飛びますが、少し上を試したいなら、こちらをぜひ。
「米杉単板のトップに、バックサイドローズウッド単板」は、どうどう高級機と同じ仕様です。もちろん同じローズウッドでも、実際はマグロのようにピンキリですから、この価格で完全は求められないにしても。
ヤマハ公式サイトのGC22紹介動画→
(クラギらしい低音が豊かに出てますね!!)
入門ギターはネット購入が正解!?
ちなみにこのブログを書くにあたって、自分で音を確かめようと都内専門店を回ってみたのですが、国内有名メーカーの低価格ギターは、じつはあまり置いてありませんでした。各社ネットショッピングページには一通り並んでいるので、あつかっていないわけではないようですが。
ですから、都市近郊住みのかたであったとしても、入門ギターはネット購入が正解みたいです。
ぶっちゃけ、その方が安いですし!!
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