まかない日記2021

October  2021年10月

引っ越しは終了した、段ボール開けは、まだまだだけど。
そもそもスペース的には前より少し狭くなり、同じようには配置できないので
工夫しながら、というのがちょっと大変。

しかし、音の環境は、想像以上でした!!
すばらしすぎませんか、まじこれ。

まず、引っ越しトラック到着で母屋から出ていらっしゃった女性が大家さんだったのだけど
立ち話にして、いきなり音楽話題。
ご本人は音楽教師だった経歴を持ってらっしゃって、
僕の部屋に以前住んでいたのはオーボエ奏者だったとのこと。
「オーボエって音がかなり大きいですよね」と聞くと
「本人は演奏よりリード制作がメインだったんだけど、子供ができて、
ひとつ部屋で精密作業の場に子供がいるのは無理だったみたい、別の部屋じゃないと」
ということで空いた部屋なのでした。 
じつは家賃がめっちゃ安いから
“音楽家希望の人が自殺した怨念部屋だったらどうしよう”
というひそやかな心配がありましたが、子作り転居とはおめでたい。
さっそく手持ちのiPhoneで自分のギター演奏を聞いてもらいましたが
「素敵ね」と微笑んでくださって、ありがたすぎでしょ。

で、下と横の人にも、シャトレーゼ菓子箱持って挨拶にいったんですが
なんと下のかたはバイオリニスト。
バイオリンだけではなかなか食べていけなくて、と苦笑してらっしゃいましたが
「音出しはお互いさま、私も今から練習するところ」
って。
さっそく部屋に戻って、どうやどうやと耳をすませていましたが、
こちらのキッチンにいて、かすかに「やってるな」とわかるだけ、
演奏まではわからないし、キッチンから8帖の防音部屋に移ったら完全無音。
おそらく消音機をつけているんだろうけど、それにしても建物の優秀さに愕然。

横のかたはエレキギター、ただしバンドでがんばっていたのは過去の話で
今はもうあまり音楽活動はしていないそうですが
「音は全然気にしないので自由にどうぞ」とのこと。
いるよね、バンドやってお耳が少々バカになってる人・・・

以上が新居の近隣住人報告ですが、
じゃあ、部屋はどうなのよ、と。
防音とかいってますが、遮るだけ、中で響きまくってますから、残念!!
てなるかと思ってた。
ととととととところが、ギター弾いて、びっくらした。
響きが上質なのです。
引っ越し中なのに、思わずシャコンヌ完奏しちまったじゃないか。

この音響、新宿オペラシティにある近江楽堂みたいなんですけど。
いや、むしろ、もっといいかも。
特に天上の音の跳ね返りが心地よすぎる。
ある種の化粧石膏ボードだと思うんだけど、
キンキンした高音と、ずっしりもたれる低音は吸いこんで
それ以外の音楽的要素は、吸わずに素直に反射、という感じ。
弦楽器のひびきがこれほど気持ちいいものと感じられる環境って
正直、自分は生まれて初めてかも。
とにかく見た目からして、天上が「美しい」んです。
ミロのヴィーナスみたいな清楚な白色。
壁面は手で叩くと、堅くモクモクと音がする。
強く叩いても大きな音にならない・・・つまり音を吸収していやがるです。
こりゃすげーや、と驚嘆する部屋でした。

昨日「引っ越し中は外食ありでしょ」ってことで
昼は鮨屋のランチ、夜は中華を食べにいったけど、
どちらもあきれるほど美味しかったし。

ここって、想定していたより、かなりいいかも!?

September 2021年9月

とりあえず引っ越しのための準備は順調にすすみ、
あとは直前に段ボール入れするくらい。

引っ越しって、時間もお金も労力もかかるから
あまりするべきではないとずっと思い込んでいたけど
案外、これはこれで良いことかも。

なんか「観光気分」ってこともあるんですよね。
人間って、初めての地に住んで一年間は旅人という持論があって、
春の風も、夏の暑さも、秋の心地よさも、冬の冷たさも、
その土地で経験することが初めてのうちは、まだ心が旅人、
二度目の季節を迎えてやっと「なじんだ」と実感しはじめる。

まあ、それが三度目、四度目となるとマンネリ化するんだけど
二度目満了前に別の新しいところに移動というのは
ひとつの「旅のスタイル」と言ってもいい気がする。

本当はこの調子で、北欧やオーストラリアにも
住んでみたいけど・・・

今度のところは家賃が安いので
春に短期間の花粉脱出は可能かもしれない。

とにかく新コロナが早く落ちついてくれるよう祈るばかり!!

August 2021年8月

ここしばらくギター合宿みたいな日々です。
ギタープログみたいなものを作ってしまったら
やっばり自分がうまくなきゃ話にならん、という本質が
誰にいわれずとも自然と身に迫ってきてしまって。
で、まあとりあえず BWV998 プレリュード・フーガ・アレグロでもやるか
と軽い気持ちではじめたわけですが・・・

ところが、これがとんでもなかった。
わりと明るくのどかな曲想なので、ずっと個人的になめてた曲なんですが
ただ明るいだけで、じつはとんでもなく深かった。

まず、この曲はなんなのか、と考えて、
子だくさんで奥さんを愛していた「バッハの日常」と気がつくと
バーッとイメージが広がって、自分の子供時代の実家の記憶とも重なって
涙が止まらなくなってみたり。

「いや、これすごいじゃん」とあらためてネットを調べたら
なんと有名なセルシェルがパリコンクールで歴史的な優勝をしたとき、
その演奏曲がこれだったんですね、全く知らなかった。 
世界最難関コンクールの優勝者が弾くほど難曲ですか?
と、わたくしも最初は思ってしまったけど・・・

速弾きのテクニック的には、より見せ場があるものがバッハ曲にもあるんだけど
それらは無伴奏バイオリンや無伴奏チェロからの編曲で、
和声はついていながらも基本的には単旋律楽器用なんですね。
このBWV998は、もとがチェンバロ曲なのて、根っからの副旋律楽曲。
伴奏としての低音ではなく、第二旋律としての低音、
これをしっかり弾くというのは、速弾きとは別次元の難しさ。
そもそも何度聞いても、何度弾いても「頭がついていかない」のです。

そしてこの「頭がついていかない」という感覚こそ
バッハがバッハたる所以ですよね。
たとえばもとがバイオリン曲のシャコンヌは
感動的な名曲だけど、ほとんど頭はついていきます。
しかしこっちはついていかないのじゃ。

練習というか、もう考えてもしかたないので
丁寧にくり返し続けて、バカな脳を育てるしかない、って感じ。

ただ不思議なことに、なれてくると考えなくても弾けるようにはなってくる。
ていうか、むしろ考えると止まるし。
思考を差し込まず、右脳だけで音楽とたわむれる世界。
そんなことが、この曲の先に広がっている。
この曲が本物だからこそでしょう。

なんか、ほんと、すごい。
なかなか自分のものにならない絶望に押しつぶされそうになりながらも、
こんなすごいものに触れられる、という喜びは
贅沢なほど感じている今年の夏です。

July 2021年7月

ギターブログを書いてみたら
“やっぱり自分がちゃんと弾けないと話にならない”
という気分になってきて
今は夏のギター合宿状態なのです。
朝から晩までバッハとバリオス。
しかし楽器というのは不思議なもので
意識を高く持って練習していると
やはりどんどん上達するのがわかる。

ていうか、もともとがヘタすぎただけとも言えますが(^_^;)
7月には録音チャレンジと思っていたけど
まだしばらくは試行錯誤が続きそうです。

バッハのフーガでは、
一つ一つの音を楽譜どおり伸ばすと
全くべつの音楽になるのがわかるし。

いちおう楽譜の音(頭)は出ていても、指がきつくて持続はできていない
というところは、じつはいっぱいあって、
そういうところを一か所ずつ練習してつぶしていく。
うまくできるようになってくると
そこから浮き上がるハーモニーが気持ちいい・・・ 

とりあえずしばらくはギター練習の夏。
みなさんも良い夏を!!

June 2021年6月

このところブログ更新ばかりしていましたが
今日は短篇小説3本リライトアップしました。

まあしょせん短篇だし
メチャクチャすごいということはないにしても
でも、やっぱり小説は小説でいいものです。
三本続けて読んだら、最後は泣けてしまった。

自分としては、どうしてもライトノベルっぽい作品は苦手。
マンガを読むのが苦手なのと同じ感覚かも。
自分がなじむのは、古くはアップダイクやブローディガン、
最近だとアン・タイラーやジュンパ・ラヒリみたいな、
行間がきっちりと詰まっていて
文芸作品らしい良心的な”重み”がある方もの。
メグ・ライアンの映画で「ジファーソニアン」という言葉が出てきたけど
読書を愛する知的な良心みたいな感じですね。
まあ自分は読書という行為自体はあまり愛してはいないですけど、
文学に良質なものを求める気持ちについては、わりと理解しているつもり。

そういう方向性が、今の日本のネットでどうなのか、
正直、まったくわかりませんけど、
自分なりに良いと感じることを形にして発信するのは
無意味なことではないと思うのです。

まだまだアップしたい過去作品はたくさんあるので
しばらくはこのリライト作業も他と並行してやっていく予定です。
よろしくお願いします!!

May 2021年5月

今日はいろいろやることあるつもりだったのに、
昼過ぎから自分が書いた長編を読み始めたらとまらなくて
気がついたら夜10時すぎてた(^_^;)
ギターを弾くことすらせず
途中、納豆ご飯を食べただけで。

まあ、読みながら若干の修正もしつつだったから
時間がかかるのはしかたがないけど
休日一日、これでぶっ飛んでしまった。

「うさぎの歌 第一部」

でも、やっぱり、たくさん泣いて、感動して、
スポーツのあとのようにすっきりサッパリ。

最近話題のオリンピック関連のえらい人が
東京に来て一泊300万円の部屋に泊まるとかいわれてますけど
では、その300万円の部屋に一週間連泊していいから
君が書いた小説体験を全部明け渡してもらおう
と、もし神さまが言ってきたら、僕は即お断りする。
そんなことで交換できるほど、安い経験ではない。
……そんなことを、あらためて強く考えてしまった。

今は「ノベルアップ」という自作小説投稿サイトに載せていますが
ギターブログの公開が始まったら、
この長編もこちらのホームページに移行したいです。
クラシックギターに興味がある人にこそ読んでいただきたいから。
しかし、書くことより、移行することの方が
面倒に感じてしまう自分がいる……
しかたないか(笑)

April 2021年4月

小説と並行して、ブログ記事を書き始めているのですが
いざ書こうとしてみると、なかなか奥が深くて
これはこれで時間がかかりそう。
この日記みたいなやつは、まあ好きに書いちゃえばいいんだけど
アフリエイトとして報奨金が発生する商品リンクまで
視野に入れて文章を書くとなると
やっぱり、いいかげんなことはかけないし。
でも、クラシックギターにしても、アトピーにしても、
自分がかかわって、苦しんで、多くの時間を費やしてきたことは
書くこといっぱいある。
そのへん、いったん全部吐き出して、精査して
記事として公開するのは、やっぱ一ヶ月仕事になるのかな・・・

でも、こういうのって、おそらくがんばったらがんばったぶんだけ
多くの人に役に立つものになっていくだろうし、
それは間接的に自分の報償としてもかえってくること。
こういうシステムが存在する時代に生きていることに感謝です。

でも、小説のリライトとか、ブログばかりじゃなく、
ギターの練習ももっとしたい、とか思ってみたりしてね。

ところで、ふと新作宇宙戦艦ヤマトを見てしまった。

自分は松本零士監督の旧作ファンで
新作はちょっと見て「これはちょっと」と避けていたんだけど
いざ見続けてみると、これはこれでたっぷり工夫が追加されていて
すごい力作と理解してしまった。

特に当時の音楽が、今でもゼンゼンありなのは嬉しかった。
新展開もわくわくして面白かったけれど
でも、やっぱり、何か満たされないものが……
それが何なのか、自分にはよくわからないし、
案外、新しい森雪の魅力のなさ、という
一点だけのことなのかもしれないけれど。

麻上洋子さんの魅力って、確かにあったなとあらためて思う。
「あまり声なんか出したくないのに、無理して出すと甘い声になっちゃう
むしろこれは問題なのよ!!」みたいな。
今のクリアなデジタル音響で
そんなアナログ演技はそもそも無理なのかもしれないですが。
すっきり通る声ばかりがいい声だとは自分は思わないけど
そんなの自分だけかな……(^_^;)