クラシックギター入門 in LoopyHill -7- 【姿勢と爪】

クラシックギター入門 in LoopyHill -7- 【姿勢と爪】
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ギターの構え方

 ギターなんて、弾ければどう持ったっていいじゃん、大切なのは見た目のかっこよさでしょ、という考え方、私は否定はしない。

 なんならショートスケールのミニギターをラフに構えてサンバーストをサクサク弾いてしまう、みたいなのも、クラギと言えばクラギ。
 でもやっぱりクラシックらしい心にしみる深い音色で音楽を奏でるためには、伝統的な正しい姿勢を意識することも、大切なことではないでしょうか。

 ていうか、本当にテクニカルな演奏をする人って、ヘビメタでも、クラシックギターみたいにヘッドを立てる持ち方するプレイヤーさんいますよね。それが男らしくかっこいいかどうかはべつにして。

……でもやっぱりギターって、あんましガチで構えるのではなく、ジミー・ペイジみたいに低くダラッと持って、そんで上手い、ってのが見た目的には理想かも……(^_^;)

 まあ、形から入りたい人は、どうぞ、いろいろやってみてください!!

 ただし、クラシックギター的には、基本はこんな感じ↓で、理解しておいていいただけるといいと思います。

 気をつけたいことは、全部図に書き込んでしまった。図のわりに文章量多めだけど、がんばって読んでみてください。

 基本的には「ギターをただ両足にのせただけ」で安定するのが理想です。

 最初はなかなか上手くいかず、よけいな力をあちこちに入れてしまいがちだけど、もし上手く弾けずに悩むことがあったら、いちどは「理想の姿勢はどうだっけ」とふり返ってみてください。けっこうそれで解決することはあるはずです。

 細かいことのようだけど、じつは、左足とギターのくびれとの「角度のずれ」が、大きな問題なんですよね。ここに斜めのすき間があると、どうしてもギターは足だけでは安定しようがない。
 ハンカチをはさむくらいですき間を埋められたらいいんだけど、なかなかうまくいきませんよね。そこが気になるようでしたら、やっぱりマクラかギターレストの利用がおすすめです。

ダイナレスト(まくら)は、いい感じで角度がつくような形で作られているので、のせるだけでほとんど安定します。ただ、身長170センチの自分には「大」でも少し低いので、普段は3センチほどの木のブロックを左足の下においています。少しだけ踏むものがあると全体的にすごく安定します。

爪のかたち

 クラシックギターは生爪で弾きます。
 ここだけは悪いけどどうしてもゆずれないところ。

 音色的にはピックを使った方が音は立つかもしれないんですが、たくさんの音を同時に出して(重音)、ソロ演奏らしく音楽を楽しんでいくには、生爪必須と覚悟を決めるべき。

 しかも、左手の爪は限界ギリギリまで短くして、右手の爪は伸ばすという両極端なスタイル。(左利きの人は逆)

左手の爪

 左手を短くするのは、わかりますよね、弦を押さえるときにじゃまにならないように、ってこと。ピアニストが爪を短く切るのと同じ理屈です。

 今どきのギター教室では「左手は指の先端部分で押さえる」ということをしっかり教えてらっしゃるらしいですが、そうすると、爪というのはマジでじゃま。少しでも伸びると切りたくてウズウズしてしまうのが左手のサガ。
 深爪にならない程度に、思い切りよく切り刻んでおしまい!!

右手の爪

 では、右手は?
 基本的には「親指」と「その他」という二段式の考え方でいくです。

 親指は指の左側で弦をはじくので、はじく部分がひっかかりすぎないように、上から見て右に寄った形を作ります。

 他の指は、だいたい指の先端の皮膚の形に合わせて、そこから少し出ているくらいが基本。
 出過ぎていると、がっつりひっかかって弾きづらいし、出ている部分が足りないと指先の皮膚で弾いているような感じになって、シャープな細な音が作れません。

 でもまあ、指先の形は人それぞれ。
 しょうゆ顔というか、爪先から指の腹まで、つるっと滑らかに傾斜している人もいれば、宇宙戦艦ヤマトの船主のように、皮膚部分がポッコリ出ている人もいるでしょう。
 そのへんはいろいろ試行錯誤しながら、いい感じで落ちつくまで一年くらいはかかると思います。

昔は爪なしの右手で弾いていたという話もあります。ガット(羊の腸)の弦を使っていたころは、爪が直に当たると弦を早く痛めてしまうし、指の腹と爪の中間くらいで弾く方が音もよかったのだと思います。しかし現代のナイロン弦では、しっかり詰めを当てた方が音がいいと思います!!

 ただ、自分的に注釈を付けくわえておきたいのは、爪の両側は削りすぎるな、ということ。僕が人より特殊なのかもしれないけど、自分は爪の両側を意識してよく使います。

 トレモロは、爪の左側を使うとコントロールしやすい。

 爪の右側をひっかけるように弾くと、薬指でもメロディがよく立つ。
 有名な「禁じられた遊び」って、常にメロディを薬指で弾き続けるんですが、よわよわの薬指にそんな大役はむり。だから自分は意識して爪の右側をひっかけてしまう。つたない演奏で恥ずかしいですが↓こんな感じ。まるで二重録音みたいにメロディが強調されているのはわかっていただけるはず。
 こんなことを教えるギター教師は日本にはいないかもしれないんだけど、まあ豆腐屋86の側溝落としみたいなもの、ってことで……

 こういう使い分けが、正しいことかどうかは、自分でもまだ疑問ではあるのですが、しかしいろんな可能性を探るってことは、きっといいことだと思う。

 トレモロについてはあらためて別ページで。

爪の先端の調整

 最後にもう一つ、爪の先端の調整について。

 面取りみたいなものなんですが……

 弦に爪がひっかかって弾きにくいとか、ノイズが出るとか、そんなときは爪の先端の調整ってやつを、もう一度見直して、紙やすりで削ってみるといいと思います。

 爪の先端の調整は、じつはものすごく奥が深くて、音に大きく影響します。
 まだまだ全然わかっていない自分が言うのもなんですが、「こんなの、まあてきとうにやっていればいい、弾ければ問題なし」と考えているあなた、あなどってはいけませんぞ!!
 むかしのクラシックギタリストと、現代のギタリストの最大のちがいは、爪の先端形状の調整にあると言っても過言ではないはず。
 ぜひ、いろいろ試行錯誤なさってみてください。

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